肥満は見た目だけの問題ではなく、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病との関連が深く、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。とくに日本人に多い内臓脂肪型肥満は、健康寿命を縮めるリスク因子とされています。
以下のようなお悩みを抱えていませんか?
- 食事制限や運動を頑張ってもなかなか結果が出ない
- 年齢とともに代謝が落ちてきた
- 健診で減量を勧められた
当院では、そのような方のために、GLP-1受容体作動薬「ウゴービ(Wegovy)」を使用した医療的なダイエット治療を提供しています。
ウゴービとは?
ウゴービは、GLP-1という腸内ホルモンの働きを応用した週1回の注射薬です。このホルモンは、脳に作用して食欲を自然に抑制し、胃の動きを遅らせることで満腹感を長持ちさせる作用があります。
本来は糖尿病治療用として開発されたGLP-1受容体作動薬を、肥満治療向けに高容量で使用するのがウゴービです。海外・国内の臨床試験でもその効果と安全性が認められており、肥満治療の選択肢として注目されています。
保険診療との関係について
現在、日本でウゴービを保険適用で処方するには、特定の学会(日本糖尿病学会、日本内分泌学会など)の専門医が常勤し、かつ管理栄養士による栄養指導が可能な教育研修施設である必要があります。これらの条件を満たす医療機関は全国でも限られており、現実的には大学病院や一部の総合病院に限られます。
そのため、当院ではウゴービによる肥満治療を「自由診療(自費)」としてご提供しています。
治療効果と期待される改善
臨床データでは、ウゴービ使用により平均して体重の15%以上の減量が確認されています。さらに、以下のような健康改善効果も報告されています。
- 血糖コントロールの改善
- 中性脂肪やLDLコレステロールの低下
- 肝機能(脂肪肝)の改善
- 睡眠時無呼吸症候群の緩和
- 内臓脂肪の減少
単なるダイエットではなく、医学的視点から健康を取り戻す治療の一環です。
治療のステップ
1初診・カウンセリング
既往歴や体格、生活習慣などを確認し、ウゴービが適応となるか医師が診断します。
2必要な検査
血液検査や心電図など、安全性の確認のために必要な検査を行います。
3投与開始と指導
注射は週1回の自己注射です。看護師が正しい使用方法を丁寧に説明します。
4定期的なフォローアップ
副作用の有無や体調を確認しながら、必要に応じて用量や生活習慣の調整を行います。
適応となる条件
以下のいずれかに当てはまる方が対象です。
- BMIが35以上で、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがある方
- BMIが27以上で、肥満に関連する健康障害(耐糖能異常、痛風、脂肪肝、無月経など)を複数持っている方
※BMIの計算式:
体重(kg) ÷ [身長(m) × 身長(m)]
医師が医学的に必要と判断した場合には、上記以外のケースでも対応可能です。
副作用について
ウゴービは比較的安全性が高い薬剤とされていますが、次のような副作用が報告されています。
- 吐き気、下痢、便秘などの消化器症状
- 倦怠感、頭痛、口渇
- 稀に膵炎や胆石などの重篤な症状
これらのリスクを最小限にするため、少量から徐々に用量を増やす方法で投与を開始します。
費用について
ウゴービ治療は自由診療(保険適用外)となり、以下の費用がかかります。
初診時の費用(初回のみ)
初診料・血液検査料 | 3,300円 (税込) |
---|
※医師による適応の診断および安全性確認のための検査が含まれます。
ウゴービ薬剤費用(週1回皮下注射・4週間分)
ご体調や治療の段階に応じて、以下の用量から適切なものを医師がご提案します。
ウゴービ用量 | 価格(税込) |
---|---|
0.25mg MD (4週分) |
16,500円 |
0.5mg MD (4週分) |
22,000円 |
1.0mg MD (4週分) |
33,000円 |
1.7mg MD (4週分) |
41,800円 |
2.4mg MD (4週分) |
52,800円 |
※全て注射針込みの価格です。薬剤は冷蔵保管が必要なため、お渡し後はすぐに冷蔵庫で保管してください。
※万が一重篤な副作用が起きた場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※当院では、国内の医薬品卸業者を通じて、国内承認薬のみを仕入れています。
よくあるご質問
誰でもウゴービを使えますか?
医師が医学的に必要と判断した場合に限ります。まずは診察をお受けください。
すぐに痩せますか?
効果は1〜2ヶ月ほどで実感される方が多いですが、継続が重要です。
注射は痛いですか?
細い針を使用するため、痛みはほとんど感じない方が多数です。
医師からのひとこと
「痩せたいけれど、もう努力だけでは限界…」そんな声を多く耳にします。ウゴービは、そうした方の新しい選択肢となる治療法です。
医療的サポートと行動の積み重ねを通じて、ただ体重を減らすのではなく「健康的な自分」を一緒に目指していきましょう。